高卒認定試験【高認/旧大検】合格体験記 bambooさん

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高等学校卒業程度認定試験(旧大検)合格体験記
親父,ありがとう
 
平成17年度 高等学校卒業程度認定試験合格 bambooさん

 私が高校を中退したのは今から22年前の冬でした。 一応,進学校と呼ばれている学校に通っていたのですが,中学の時とは何か違う異質の雰囲気に馴染めず一年の二学期で辞めてしまいました。 学校を辞めてからというもの夜遊びが増え,だんだん家にも帰らなくなり警察のお世話になった事もあり当時,親には相当な心配を掛けていた事と思います。
  そんな私にも転機が訪れ,一社会人として働くようになり,結婚し,子供にも恵まれ,一見何の変哲もない幸せな家庭が出来上がりました。 しかし,生活が普通になって行けば行くほど「自分は中卒だ」という劣等感が日増しに強くなって来るのを感じていました。 このままじゃいけない!と普段から心の奥で思っていたせいでしょうか。 働きながら定時制高校に通い,やっとの思いで卒業出来て喜んでいる夢を何度も見ました。 目が覚めてそれが夢だと分かった時の虚しさ...本当に凹みました。 それでも仕事と勉学の両立の難しさ,不景気で給料がほとんど上がらない中での学費の捻出,今のままでも生活には困らないからという自分への甘えなどが積み重なり何も行動を起こさないまま月日が過ぎて行きました。
  そんなある日,父と外で酒を飲む事になり二人で酒を酌み交わしていたのですが,父がポツリと「自分が当時,○○(私の名前)の事をよく理解してあげる事が出来なくて学校を卒業させる事が出来なかった」と呟きました。私はドキッ!としましたが「いや,あれは俺が悪かったんだよ。あの頃の俺は人に何を言われても聞く耳を持たなかったし」と言って父を宥めましたが(父も自分と同じようにずっと気にしていたんだなぁ)と思いこの年になっても未だ親に何かと心配ばかり掛けている自分に情けなさや歯痒さを感じていた事を今でも昨日の事のように思い出されます。
  それから数年が経ち今年の2月,大検が高認になることを知り興味を持った私はこのサイトに巡り合いました。学校を辞めてから22年間ろくに勉強をしたことも無いのに大丈夫だろうかと言う不安もありましたが,私の脳裏には父のあの言葉が甦り「よし!やるか!」と俄然やる気が沸いてきました。試験までの6ヶ月間は今から思えば本当にあっという間でしたが仕事から帰って寝るまでの間,毎日一生懸命勉強しました。気が付けば机で朝を迎えていたことも少なくはありません。勉強に疲れたときはこのサイトに訪れ,いろんな人たちの書き込みを読んでは心が和み,辛いのは自分だけじゃないんだと自分に言い聞かせ気持ちを奮い立たせました。
  試験当日,自分より遥かに若い受験生達が周りを埋め尽くしているのを見て今まで自分がだらだらと過ごして来た月日の重さをしみじみと感じつつ試験に挑みました。 そして今日,合格の通知が届きました。 嬉しいと言うよりホッとしたと言うのが正直な感想です。 ただ一つ残念なのはこの報告を聞いて一番喜んでくれるはずの父はもうこの世にはなく,生きている間に父にこの吉報を伝えられなかったと言うことです。 しかし,あの時の父の言葉が無かったら今この喜びを味わってはいなかったと思います。父に感謝し墓前に報告をしたいと思います。 「親父,ありがとう」