科学と人間生活 地学・宇宙分野 合格のレシピ

身近な天体と太陽系における地球

太陽や月など、身近に見られる「天体と人間生活とのかかわり」を理解することがこの分野の目標。地球から見たときの「天体の動き」や、それをもとにしてつくられた「暦」、「地球と他惑星の違い」などがポイント。太陽活動が地球に及ぼす影響、太陽系の構成についても知っておきたい。

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暦の歴史

私たちは、生活の中で、分や時間、日、年などの時間の単位を使っている。これらは、天体の動きと密接に関係している。古代の人類が、天体の動きを観測し、暦をつくり、現代人もそれを使っているからだ。

古代エジプト人は、太陽の動きから、1年の長さが365日と1/4日であることを知り、そこから「太陽暦」をつくった。古代ローマでは、それまで使われていたローマの暦に、エジプトの太陽暦を取り入れ、「ユリウス暦」をつくった。ユリウス暦は、現在使われている暦の原形である。

しかし、ユリウス暦を長期間使っていると暦と季節にずれが出る。地球が太陽の周りを回るより正確な公転周期は、365.2422日(1太陽年)であり、ユリウス暦で365.25日としているからである。このずれを解消するために、400年に97回の「うるう年」をおいたのが「グレゴリオ暦」である。グレゴリオ暦は、現在、日本も含め世界の多くの国で採用されている。

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グレゴリオ暦は、次のように、うるう年を操作している。

  • 西暦年数が100で割り切れないとき、4で割り切れれば、うるう年にする。
    (2016年、2020年などは、うるう年)
  • 西暦年数が100で割り切れるとき、100で割った値がさらに4で割り切れればうるう年とし、割り切れない年はうるう年としない。
    (2000年はうるう年であるが、2100年はうるう年にはならない)

なお、グレゴリオ暦と太陽暦との差は、400年に約0.12日となる。

参考:第一学習社「高等学校 科学と人間生活」

地動説と天動説

周転円説の説明図

周転円説は、地球を中心とする1つの大きな円の円周上に小円があり,惑星はこの小円上を回転しながら大円上を進むとする考え方。

惑星を毎晩同時刻に観測すると、ほぼ黄道にそって西から東へ動くように見える。これを「順行」という。しかし、ときには逆向きに動くことがある。これを「逆行」という。惑星のこのような動きをプトレマイオスは、地球が宇宙の中心にあり、地球の周りをすべての天体が回っているとする「天動説」の立場に「周転円説」を取り入れて説明した。以後、天動説は、ルネサンスの頃まで1000年間以上も信じられてきた。

一方、コペルニクスは、この惑星の奇妙な動きを説明するには、地球を含む惑星は太陽のまわりを回っているとする「地動説」が適していると考えた。現在では「地動説」が受け入れられている。

太陽系の構成

太陽系には8つの「惑星」の他、火星と木星の軌道の間に40万個以上ある「小惑星」、海王星の外側に1千個以上ある「太陽系外縁天体」などがある。

地球型惑星と木星型惑星

 地球型惑星木星型惑星
惑星水星、金星、地球、火星木星、土星、天王星、海王星
大きさと密度小さな惑星だが、密度は大きい大きな惑星だが、密度は小さい
構成中心部に金属を主成分とする核があり、その上に岩石のマントルと地殻がある。表面は水素やヘリウムを主成分とするガスで覆われており、岩石でできた表面を持たない。
自転周期比較的長い比較的短い

太陽の活動

太陽は自ら光を放つ星、恒星である。太陽の中心部では「核融合反応」により莫大なエネルギーがつくり出されている。太陽表面にはさまざまな現象が見られ、活動の様子は常に一定ではなく、変動をしている。

太陽活動が活発になると「プロミネンス」や「フレア(太陽面爆発)」がよく見られるようになる。太陽から放出される電気を帯びた粒子の流れを「太陽風」という。フレアが起こると太陽風も増大する。地球が太陽風にさらされると、地球の磁気圏を乱してオーロラを発生させたり、通信障害が起こったり、大規模停電を引き起こすこともある。

太陽表面に見られる黒点は、その数が変化する。大きな周期は11年で、太陽の活動が活発なときには、黒点の数が増え、活発でないときには黒点の数が減る。

地球の気候

太陽のエネルギーは、光や熱となって、地球に降り注ぐ。地球は丸い形をしているため、高緯度の北極や南極と比べて、低緯度の赤道の方が同じ面積で受け取る太陽エネルギー(光や熱)が大きくなる。このエネルギーの不均衡を解消するために、低緯度のエネルギーが高緯度に移動する。このとき、大気の流れ(風)ができる。風は海水を引きずって、海流をつくる。このように、風や海流により低緯度から高緯度へ、地球規模で熱が運ばれるとともに、熱帯から寒帯まで多様な気候をつくりだしている。

ハビタブルゾーン

地球が生命あふれる星となったのは太陽との距離、地球の大きさが適していたからである。宇宙で生命が誕生し、生息できる領域のことを「ハビタブルゾーン」という。太陽系では地球軌道の内側から、火星軌道にかかるくらいまでの領域にあたる。太陽系以外でも地球に似た惑星がいくつか見つかっている。


〔参考文献等〕
第一学習社「高等学校 科学と人間生活」/NHK「高校講座 科学と人間生活」/高等学校卒業程度認定試験