大気圏(対流圏・成層圏・中間圏・熱圏)

大気圏とは、地球を取り巻く薄い大気の層(地上から100kmくらいまで)のこと。大気は4層構造をしており、下から「対流圏」「成層圏」「中間圏」「熱圏」と名付けられています。各層の境界の高度は、概ね10km、50km、80kmで、気温変化に着目して分けられています。この大気圏の外側は一般に宇宙と呼ばれています。

地球の大気圏の模式図

 

01/04

大気層(4つの層)の分け方

まず、大気の4つの層が何を根拠に分けられているのかということが重要です。空気は透明なので、4つの層に分かれていることは、視覚的にはわかりません。しかし、気温(大気の温度)の変化に着目すると、一目瞭然です。

大気は高い所に行くほど、気温が低くなると思っている方、逆に太陽に近づくので気温が高くなると考えている方もおられるかも知れません。しかし、高い所に行くにつれて、気温は上がったり、下がったりするのです。

まず、地上から上空に向かって気温は下がっていきます。しかし、10kmくらい上空にいくと、逆に上空にいくほど気温は上がりはじめます。この温度変化が転換するところを「圏界面」と呼び、圏界面より下を「対流圏」、上を「成層圏」と呼んでいます。

このように、上空の気温の変化を見ていくと、地上から上空に向かって「下がって→上がって→下がって→上がる」という感じです。気温が上がったり、下がったりする境界を境に、大気は4つの層に分けられます。下から、対流圏、成層圏、中間圏、熱圏です。グラフにすると、(少々ゆがんだ)マクドナルドのMの字を横にしたようなグラフになります。次のようなグラフ(図)を何も見ないで、ささっと簡単に書けるようになれば、第一関門突破です。

高度に伴う大気の気温の変化

 

02/04

大気圏の各層で起こる現象

次に、各層の特徴やそこで起こる現象などを覚えておくと、得点アップにつながります。特に重要なのは次の3つ。

まず、対流圏では、気象現象が起こるということです。対流というのは、空気が上昇したり、下降したりすることです。空気が上昇すると雲ができます。雲ができると雨が降るなどの「気象現象」が起こるのです。台風などの気象現象もすべて対流圏で起こっています。

ちなみにジェット機が飛ぶのは、この対流圏の上層の方(圏界面付近/高度約10km)です。対流圏では空気が上下に動くため、飛行機の揺れて、時には危険を伴うからです。

2つ目に重要なのは、成層圏にはオゾン層があるということです。太陽が地球に降り注ぐエネルギーのうち、紫外線は、私たち生物にとって有害です。オゾン層は、地球のバリアのような役割をして、有害な紫外線を吸収してくれています。

3つ目はこの成層圏で気温が上昇する理由です。成層圏には、オゾン層が存在するために、成層圏の気温が高くなるということです。上記のとおり、オゾン層は、紫外線、太陽からやってくるエネルギーを吸収します。エネルギーを吸収するために成層圏の気温が上昇するのです。

※成層圏で気温が上昇する理由を問われたら、「オゾン層」、「紫外線」などのキーワードが含まれる選択肢が正解です。

03/04

大気圏各層で起こる現象のまとめ

重要事項です。必ず覚えましょう。

大気圏起こる現象など
熱圏イオンや電子(太陽からのX線や紫外線を吸収し、高温)。
オーロラが見られる。
中間圏流星(中間圏上層~熱圏)、夜光雲が見られる。
成層圏オゾン層(太陽からの紫外線を吸収)が存在する。
対流圏100m高くなるごとに、約0.65℃の割合で気温が下がる。
気象現象が起こる。
04/04

高卒認定試験の過去問にチャレンジ!!

チャレンジ問題

図1は国際宇宙ステーション(ISS)から撮影した地球大気と月である。月は質量が小さく重力が小さいため、大気を引き止めておくことができず、大気のない天体となった。一方、地球は重力によって窒素、酸素、アルゴンおよび変動幅の大きい水蒸気などの大気を持つ惑星となった。図2 は地球大気の構造を示したものである。地球の大気は主に曲線アに示される変化によって4つの部分に区分されている。

大気圏の問題の図

 

問1 図2 の中で、降雨、降雪などの気象現象が生じている部分はどこか。最も適当なものを、次の1 ~ 4 のうちから一つ選べ。

1  中間圏 成層圏 対流圏
2  成層圏 対流圏
3  対流圏
4  季節により変化する

問2 図2 の曲線アは高さの変化にともなうある量の変化を示している。その量として最も適当 なものを、次の1 ~ 4 のうちから一つ選べ。

1  湿度
2  平均風速
3  大気の温度
4  大気の平均密度

問3 図2 のオゾン層は私たちの生活に密接な関係を持っている。オゾンの量の減少は重大な環境問題となり、世界でオゾン層を保護するためにさまざまな対策がなされてきた。オゾン層の役割を説明した文として最も適当なものを、次の1 ~ 4 のうちから一つ選べ。

1  二酸化炭素を減少させ気温上昇を抑制している。
2  太陽からの紫外線の大部分を吸収し、陸上生物の生息を可能としている。
3  大気中の酸素の大部分を作り出している。
4  地球放射の大部分を吸収し地球の温度を一定に保っている。


正解はこちら▼
問1から順に3,3,2

上の過去問解けましたか?正解できなかった人は、このページの説明をもう一度よく読んで再チャレンジしてみてください。



高認合格者からのアドバイス
高卒認定試験合格者/林さんよりの写真

 

地学は高認ではじめて勉強したのですが、私は過去問を徹底的に勉強しました。スーパー問題集の6回分の高認の問題を何回か繰り返してやってると、問題に出される内容がだいだい似ていることが出ていることがわかってきました。それで、何を勉強すればよいのかもわかってきました。なので、試験の日は不安はありましたが、他の科目よりか地学は自信を持てて臨めました。自分の採点では75点で合格できました。

高卒認定試験合格者/林さんより

高卒認定ワークブック - 地学

高卒認定(高認)の地学基礎の対策学習書として「高卒認定ワークブック・地学基礎」をおすすめします。高卒認定(高認)試験対策として編集されているので、地学基礎の出題傾向・形式・レベルに合った勉強して無駄になる内容はなく、効率的です。基礎から確実に実力をつけることができます。

内容は問題が中心ですが、重要事項の整理や解説も一問ずつ丁寧になされており、参考書と問題集が一体となったような学習書です。

高卒認定試験の出題傾向・形式・レベルに合った学習内容なので勉強して無駄になる内容はなく、効率的に基礎から確実に実力をつけることができます。内容は問題が中心。高認に特化した学習書なので、本試験でもワークブックの類似問題が多く出題されています。
また、要点整理がなされており、解説も一問ずつ丁寧に説明されています。高卒認定試験対策に最適な参考書的な問題集です。

送料無料キャンペーン!!注文フォームへ

高卒認定スーパー実戦過去問題集 - 地学

地学は教科書や参考書で用語を覚えるなどの基礎をひととおり学習し、過去問を解くというごく普通の勉強方法で十分合格できる科目です。

高卒認定試験の過去問題6回分を掲載・解説。市販されている問題集の中で最も多くの過去問が掲載されています。しかも11月実施分の問題まで収録されている過去問題集は他にありません。
解答解説は、基本事項にも触れながら丁寧に説明されているので、苦手科目の克服にも最適。価格は少々高めですが、自信をもっておすすめできる過去問題集です。

送料無料キャンペーン!!注文フォームへ

このページ「大気圏(対流圏・成層圏・中間圏・熱圏)」のtopへ