国語・現代文の実戦的解法。高卒認定/高認の国語・現代文は小説と評論(または「随筆」)が出題されます。

国語・現代文の実戦的解法。高卒認定/高認の国語・現代文は小説と評論(または「随筆」)が出題されます。最初は時間をかけて過去問を解いてみましょう。次に時間内に正確に解答する訓練をしておきましょう。基礎的な内容で出題されるので、普通に国語ができる方は、あまり勉強しなくても合格点を取ることができるでしょう。

国語ワンポイント講座

国語・現代文(高卒認定/高認)の解き方

漢字問題はドライブスルー感覚で!

現代文の問題の最初の「問い」は、漢字の読み書きです。読み書きといっても選択式問題で本文中に出てくる基本的な漢字について解答します。中学生の知識+アルファ程度正解できる漢字です。同音異義語などのように戸惑うような漢字はされません。もしわからなければ、そこで悩まずに、選択肢のどれかを選んで解答してしまいましょう。1問1点なので、あまり時間をかけるところではありません。むしろ、古文や漢文に考える時間を使いましょう。

※小説は、漢字の「読み」、評論は、漢字の「書き」になっています。


漢字問題(問い)は、最初に解答してしまう

漢字の問題は、問題本文を読む前に解答してしまいましょう。本文を読まなくても、解答できるものばかりです。逆に本文を読んで、傍線部の漢字が出てきた時点で、その都度、解答していると、ページをめっくたり、めくり返したりと効率がよくないです。限られた試験時間なので、わずかな時間も大切にしましょう。

平成26年度第2回本試験より title=

解答する際は、解答用紙に一問一問マークしてしまいましょう。後からまとめてマークは厳禁です。ずれてマークミスも原因になるからです。

※模擬試験などのマークを見てみると、一問分、明らかにずれて塗られている受験生もいますし、本試験では、これが原因で不合格となったと考えられる受験生も少なくありません。

そして、本文を読む段階になったら「さっき解答した漢字は、やはり正しかった!」と確認しながら、読み進めましょう。


小説・評論文などの問いの選択肢は、先に読まない

大学受験などでは、問いを先に読んでから問題文を読むという戦術がありますが、高認の現代文のように選択式の場合は、それが裏目に出てしまう場合があります。

高認の場合には、問いの選択肢の内容に明らかに本文に述べられていないことが含まれているものが多いため、消去法で正解を絞る戦法が適しています。そのため「先に選択肢を読んで、本文を読み、再び問いの選択肢を読む」と、選択肢に書かれていた内容と問題本文に書かれていた内容とを混同してしまう可能性があるのです。つまり、消去法の感覚が鈍ってしまうのです。問いまでは読んでもOKですが、選択肢までは、先に読まないようにしましょう。


傍線部が出たらすぐに問に解答する

問題本文を読み、傍線部が出てきた時点で問いに答えましょう。この時点で問いの選択肢を初めて読んでみます。ただし、文脈上区切りがよくない場合は、傍線部の少し先まで読みましょう。


選択肢を選ぶときは消去法がベスト

初めて選択肢を読むと、明らかに「こんなことは書いていないよな!」という(正解ではない)選択肢がいくつも見つかります。本文に書かれていないような(選択肢の中に初めて登場するような)単語や表現が含まれているようなものは、たいてい×です。選択肢に×をつけながら消去法で考える方法がベストです。

※ただし、漢字問題は消去法ではなく、直接的に選択肢を選ぶ方法が適しています。

そして「これだ!」と判断した選択肢には○を付けておきましょう。決して想像で解答してはいけません。いくら正論でも、本文に書いていないことは、正解ではありません。

上記の方法で選択肢を1~2つに絞れる場合がほとんどですが、2つ以上残ってしまった場合は、選択肢に含まれている単語や表現が、本当に本文に書かれているかなどのチェックをしながら、正解と思われる選択肢を選びましょう。

※逆に、古文の場合は、現代文と違い、本文を読んでも「おぼろげ状態」になっている場合が多いと思います。本文をなんとなく読めているという感覚なので、消去法によって選択肢を絞ることは難しく、「これだ!」「これしかない!」という感覚で選択肢を選ぶことが多くなると思います。正しい選択肢を選ぶことにより、問題本文を読み解くヒントもなります。


傍線の近くをみる

現代文はあくまでも問題本文から読み取れる主人公の心情や、問題本文中に書かれている著者の主張を解答します。必ずと言っていいほど、正解の根拠は傍線の近くにあります。そのため、上記のとおり、傍線が出てきたらその場で解答してから、読み進めた方が正解しやすいでしょう。

選択肢の中には、傍線部から離れた場所の内容が書かれていることがあります。しかし、それはたいてい×の選択肢です。このような選択肢に惑わされないためにも、傍線が出たらすぐに問いに解答するように心がけましょう。

※すべての問題を解いて、見直したとき、間違っていると思って、解答を修正すると最初の解答が正解だった!なんてことがあります。他の問題の文章を読むことにより、その文章内の著者の主張の理解などが鈍ってきてしまうためです。現代文はその場、その場で丁寧に解答して、できるだけ見直しを避けるようにしましょう。


最後に…

現代文(特に小説)は、原典からの抜粋なので、突然、話の途中から始まっているような問題文もあります。そのような場合は、読み進めるうちに内容が見えてくるので、最初から悩まないようにしましょう。

なお、古文は漢文と比べて読みやすくなっています。根気は必要ですが、(あまり勉強時間がない方は)上記の現代文のような感覚で問題を解きながら勉強することも可能だと思います。しかし、漢文は、それなりに基礎から勉強しないと得点できません。

高認の試験の中で最も得点しやすい科目は国語といえるでしょう。当サイトの調査では、平均点も毎回60点を超えており、合格率も高い科目です。

そのため、高卒認定試験の対策では、国語(特に現代文)を真っ先に勉強することをおすすめします。自信もつきますし、速習が可能なので、古典分野(古文・漢文)や他の科目に安心して時間をかけることができるからです。

上記の方法で過去問を数回分解いて見て、60点以上取れるようであれば、国語の勉強(特に現代文)は最小限でよいと思います。全科目合格に向けて、他の科目に力を注いだ方がよいでしょう。