地層に含まれる化石は、その地層が堆積した時代の特定やその時代の環境を知る手がかりとなります。地球の歴史を生物界の変遷から区分したとき地質時代呼びます。古生代、中生代、新生代のそれぞれの地質時代を生きた生物(化石)との対応を覚えておきましょう。
高卒認定試験(高認)の地学では「地質時代と化石(地層と化石)」はよく出題されます。この分野から例年4問程度、多い時には7問出題されたこともあります。1問5点なので、この分野の配点は20点以上になります。合格点は40点なので、この分野を攻略すると、高卒認定(高認)地学の合格に向けて、大きく近づけるでしょう。
ここでは、この分野の攻略のポイントの一つ「地質時代と化石」の速習方法について説明します。
地球は46億年前に誕生しました。その後、生物が爆発的に増加したのは5.5億年前のことで、地球の歴史から見れば、ごく最近のことです。ただし、バクテリアのような生命らしきものは、40億年ほど前に誕生しています。
地層には地球の歴史を知るさまざまな手がかりがあります。そのひとつが地層に含まれる化石です。化石によりその時代にはどのような生物が存在し、どのような環境であったのかを知ることができます。
地球の歴史を生物界の変遷(=生物界の様子の変化)から区分したとき、地球の歴史の各時代をまとめて「地質時代」と呼びます。
まずは、地質時代の名称を覚えましょう。日本史でいうと、旧石器時代、縄文、弥生・・・という感じですが、地学は日本史よりかなり簡単で、
先カンブリア時代→古生代→中生代→新生代
これだけです。
それぞれの時代の区切りは何年前か。生物が爆発的に増加した古生代の始まりは約5.5億年前。その後は生物の絶滅が区切りとなっています。古生代末(約2.5億年前)には環境の急変により大量絶滅が起こりました。中生代末(約6500万年前)には恐竜が絶滅しました。時代の区切りの「●●年前」を覚えておくことは必須です。「46→5.5→2.5→0.65」の数字は必ず覚えておきましょう。
〔出題例の正解〕出題例1は2・5、出題例2は1、出題例3は4
高認では「地層Aが堆積した(できた)時代はいつか?」という設問がよく見られます。地層が堆積した(できた)時代を知る手がかりは地層の中にある化石です。
そして、問題文をよく読むと「地層Aからはアンモナイトの化石が発見された。」というような記述があります。
アンモナイトは中生代に繁栄した生物なので、中生代が正解になります。
アンモナイトや三葉虫のように特定の時代のみに繁栄し、地層がつくられた時代を知る手がかりとなる生物の化石を「示準化石」といいます。
さまざまな示準化石が生物がどの時代に生きていたのかを覚えることは地学では必須です。高認でよく出題される化石は20種程度です。
「化石の名」と「図(または写真)」、生きた時代(古生代、中生代、新生代など)の3点セットで覚えておきましょう。
ここで高認の試験でよく登場する化石の覚え方(語呂合わせ)を紹介しておきます。
覚え方の例→「前半はゾウさん、後半は両方とも漁師だ!」
古生代前半・・・ゾウ(ソウ類)さん(三葉虫)
古生代後半・・・両(両生類)、漁(魚類)、師だ(シダ植物)
古生代前半は海の中でソウ類、三葉虫などの生物が栄え、古生代後半では魚類も出現、そして陸上進出。最初の植物である シダ植物 も出現しました。古生代は「三葉虫(サンヨウチュウ)の時代」と呼ばることがあります。
なお、もう一つ古生代の代表的な化石として「フズリナ(紡錘中)」があります。必ず覚えておきましょう。石灰岩の地層の中に含まれ、古生代末に突然絶滅してしまった生物です。なお、石灰岩は塩酸をかけると二酸化炭素が発生します。
〔出題例の正解〕1
覚え方の例→「井野教師安産」
井野(イノセラムス)教(恐竜)師(始祖鳥)と安(アンモナイト)、産(三角貝)
中生代には、イノセラムス、恐竜、始祖鳥、アンモナイト、三角貝などの生物が繁栄しました。覚えるのが大変そうですが、上の語呂合わせで覚えてしまいましょう。
中世代は「恐竜とアンモナイトの時代」または「は虫類の時代」などと呼ばれます。
〔出題例の正解〕1
新生代第3紀はメタセコイア、カヘイセキ(貨幣石)、ビカリア、デスモスチルスです。これも頭文字で覚えましょう。
覚え方の例→「メタカビです」
メタセコイア、カヘイセキ(貨幣石)、ビカリア、デスモスチルス
新生代第4紀は、氷河期でした。白く凍りついた雪原を、からだの長い毛をなびかせながら、ゆったりとマンモスが歩き、人類も出現しました。
覚え方の例→「氷人マン」
氷河期、人類、マンモス
〔出題例の正解〕出題例1は4、出題例2は2
示準化石は、地層がつくられた時代を知る手がかりとなる生物の化石なので、特定の時代のみに爆発的に繁栄し、短期間で絶滅した化石が適しています。
(↑ときどき出題されます)
長く生きていた生物では、どの時代に生きていたのかが特定できないからです。例えば、ゴキブリのように古生代~中生代~新生代と、なが~く生きていた生物の化石(=生きている化石)が発見されても、その地層は古生代のものなのか、中生代のものなのか、新生代のものなのかが特定できません。
生物は海の中で誕生し、その後、陸上への進出しました。生物の陸上への進出は地質時代の中でも大イベントの一つです。人類の宇宙進出と同じくらいすごいことでした。人類は知恵と技術で宇宙へ進出しましたが、生物はどうだったのでしょうか?
生物は海の中で誕生しましたが、当時の陸上には太陽からの有害な紫外線が降りそそぎ、とても生物が生存できる環境ではありませんでいた。
ではなぜ生物が陸上へ進出することができたのでしょうか?その大イベントの様子を参考書や図表でよく読んでおきましょう。
これを勉強するときのキーワードは「ラン藻」「酸素」「オゾン層」「イクチオステガ」「シダ植物」などです。
それぞれの時代はさらに紀に区分されます。できれば、その紀の名称と特徴を覚えておきましょう。紀の中で特徴的なものを下に紹介しておきます。
ただし、新生代については第3紀と第4紀に分かれていることを必ず覚えておきましょう。
古生代のデボン紀・・・魚類が繁栄
※魚が海で、ドボン、ドボン、デボンって、とび跳ねていたようです
古生代の石炭紀・・・シダ植物繁栄
(このときのシダ植物が石炭のもとになっているのです)
中生代のジュラ紀・・・恐竜が繁栄
(映画「ジュラシックパーク」って?)
中生代の白亜紀・・・恐竜が絶滅
次の暗号を解釈できますか?
カオシデ石は二畳敷き、サンジュラ伯が財産にした!
カオシデ石は財産にするほど高価なものだったみたいです。サンジュラ伯爵は二畳分も持っていて大切な財産にしていたそうです。
こちらページで解説した内容は「高卒認定ワークブック地学基礎」のp111~p119、p179の総合問題・大問3に対応しています。
高卒認定(高認)の地学基礎の対策学習書として「高卒認定ワークブック・地学基礎」をおすすめします。高卒認定(高認)試験対策として編集されているので、地学基礎の出題傾向・形式・レベルに合った勉強して無駄になる内容はなく、効率的です。基礎から確実に実力をつけることができます。
内容は問題が中心ですが、重要事項の整理や解説も一問ずつ丁寧になされており、参考書と問題集が一体となったような学習書です。
高卒認定試験の出題傾向・形式・レベルに合った学習内容なので勉強して無駄になる内容はなく、効率的に基礎から確実に実力をつけることができます。内容は問題が中心。高認に特化した学習書なので、本試験でもワークブックの類似問題が多く出題されています。
また、要点整理がなされており、解説も一問ずつ丁寧に説明されています。高卒認定試験対策に最適な参考書的な問題集です。
※当サイトのオリジナルショップからお申込みいただくと送料が無料になります。
地学は教科書や参考書で用語を覚えるなどの基礎をひととおり学習し、過去問を解くというごく普通の勉強方法で十分合格できる科目です。
高卒認定試験の過去問題6回分を掲載・解説。市販されている問題集の中で最も多くの過去問が掲載されています。しかも11月実施分の問題まで収録されている過去問題集は他にありません。
解答解説は、基本事項にも触れながら丁寧に説明されているので、苦手科目の克服にも最適。価格は少々高めですが、自信をもっておすすめできる過去問題集です。
※当サイトのオリジナルショップからお申込みいただくと送料が無料になります。