高校地学では、太陽の形や特徴、太陽で起きている現象、太陽が地球に与える影響、太陽が輝くエネルギー源、太陽の一生などを中心に学びます。これらは高卒認定試験でも出題のポイントとなっています。
太陽は私たちにさまざまな恩恵を与えてくれます。太陽が地球に光(電磁波)を照らしてくれるおかげで、気象現象が起こり、水が循環し、植物が育ち、食物を得ることもできます。私たちにとって太陽は生命のエネルギー源であり、太陽により生かされていると言えるでしょう。
高卒認定(高認)試験では「太陽」がテーマとなる問題(大問)が出題されることがあります。このページの内容は高認本試験に対応した内容で、このページの内容を修得しておけば、太陽の問題は、ほぼ対応できるでしょう。
太陽の中心部でつくられた光と熱のエネルギーは約1000万年もかかって太陽の表面に到達します。そして、太陽の表面から地球に届くまでは約500秒(8分19秒)です。
私たち(人間)が太陽を知ろうとするときには、まず、望遠鏡や人工衛星で太陽を観察します。すると明るい球形の中にも、黒点や紅炎など、特徴的な現象など見えてきます。まずは、それらの名称と各部分の温度を覚えましょう。
名称 | 説明 |
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光球 | 太陽本体の球体のことを地学では「光球」といいます。私たちが、夕日や朝日、薄い雲がさえぎっているときに太陽を見るとが球体であることがわかります。太陽の表面温度は約6000Kです。 |
彩層 (太陽の大気) |
光球の外側をつつむ約3000kmの薄い気体の層(=太陽の大気)。淡いピンク色で約1万度。 |
黒点 | 周囲より温度が低いため、黒く斑点状に見える部分。太陽活動が活発なときに発生します。黒点が移動することは太陽が自転していることの証拠になります。また、黒点の温度は約4500Kです (※1)。 |
白斑 | 黒点とは反対に周囲より温度が高く、明るく見える部分。黒点の近くに、もやもやとした明白色の模様として見えます。白斑の温度は約1万Kです。 |
プロミネンス (紅炎) |
太陽活動が激しいときに、太陽面(彩層)から吹き出す巨大な炎。 |
コロナ (太陽の大気) |
ごく薄い真珠色に輝く太陽の大気。太陽表面から高さ数百kmにまで広がっているこの太陽大気は電離していて「プラズマ」と呼ばれる状態になっています。普段は、まぶしすぎて肉眼で見ることはできませんが、皆既日食のときに見ることができます。コロナの温度は100万K~200万Kです(※2)。 |
フレア | 太陽活動が激しいときに、彩層やコロナで突然起こる爆発現象。 |
※1:黒点はペアで出現することが多い。黒点が移動することから、自転周期が27日であることがわかった。また、黒点の出現数の増減により、太陽の活動は11年周期で活発になることがわかっている。
※2:太陽の光球の温度は6000Kで、コロナの温度は100万K以上。コロナの温度は光球よりも高いのです。なぜコロナの温度がこんなに高温なのかは今も明らかになっていません。
地球は太陽から光と熱のエネルギーをもらっています。これらのエネルギーは電磁波と呼ばれる形で地球にやってきます。電磁波は言わば「光と熱のエネルギーの乗り物」です。電磁波には、紫外線や可視光線、赤外線などの種類があります。
電磁波の他にも「太陽風」と呼ばれる荷電粒子(=電気を帯びた粒子)もやってきます。地球の持つ磁気(=地球の持つ磁石の性質)や大気がバリアとなって、太陽風は、地表には届きません。
太陽からやってくる電磁波や太陽風をまとめて「太陽放射」といいます。太陽放射により、どのような影響を受けるのかを覚えておきましょう。
太陽放射 | 地球が受ける影響など |
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紫外線 (電磁波) |
私たちにとって大変危険な紫外線は太陽からやってきます。地球をとりまくオゾン層が、紫外線に対して、バリアの役割を担い、地表に届く前に紫外線のほとんどは吸収されます。 |
可視光線 (電磁波) |
地表に到達する太陽放射のエネルギーのほとんどは可視光線(←目に見える)が持っています。可視光線が地球を温めています。逆に地球や大気、雲などは赤外線(←見えない)の形でエネルギーを宇宙に戻しています。地球が可視光線でもらうエネルギーと赤外線として宇宙に戻すエネルギー量が等しいため、地球はほぼ一定の温度を保つことができます。 |
太陽風 (荷電粒子) |
コロナ(コロナホール)から吹き出す秒速500kmの強い荷電粒子(電気を帯びた粒子)の流れ。もし、地球に磁気圏がなかったら太陽風の影響で数百度の灼熱の世界になってしまいます。 地球をとり巻く2つのドーナツ状の荷電粒子の帯を「バンアレン帯」といいます。バンアレン帯は太陽風の荷電粒子を地磁気が捕らえたものです。 |
太陽表面の彩層やコロナの一部分が突然明るくなることがあります。これが太陽表面で起こる最も激しい現象(爆発現象)で「フレア」と呼ばれています。フレアが起こるとX線や紫外線、荷電粒子(電気を帯びた粒子=太陽風)が放出され、地球へも影響を与えます。
現象 | 地球で起こる現象 |
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デリンジャー現象 | フレアが起こると強いX線や紫外線などが発生し、地球の電離層に影響を与え、無線通信障害を引き起こします。これを「デリンジャー現象」と言います。 |
磁気あらし | フレアが起こったときにも太陽風は吹き出し、約2日後に地球に到達し、地球の磁気を乱します。これを「磁気あらし」と言います。 |
オーロラ | フレアに伴う太陽風の荷電粒子が、大気の分子に衝突して、発光現象が起こります。この現象を「オーロラ」と言い、極地方で起こります。 |
太陽は高温の水素ガスの球で、中心部で水素を燃料として燃えています。水素が燃料として燃えると(灰として)ヘリウムが生成されます。これを「核融合反応」といい、太陽のエネルギー源です(※3)。
太陽は誕生して約50億年になりますが、中心核にはさらに約50億年間もつだけの水素が残されています。この燃料が消費しつくされると太陽は寿命を迎えます(※4)。
※3:より正確に表現すると「4個の水素核から1個のヘリウム核に変わる核融合反応」です。
※4:水素を使い尽くした太陽は膨張して赤色巨星となります。赤色巨星はやがてその中心部に白色わい星を残して、膨張を始めます。最終的に太陽は冷え切り、黒色わい星の燃えかすとなってその一生を終えます。
勉強したこと(覚えたこと)を、過去の試験問題で正しく解答できるようにしておくことは大切な練習です。地学に限らず、受験科目は必ず過去問題で練習しておきましょう。
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