さまざまな大学入試制度

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大学へ入学(合格)するまで

大学に入学するためには、「高卒資格(高校卒業学歴)」を取得した上で、希望する「大学入学試験(大学入試)」に合格する必要があります。高卒資格とは、例えば、普通高校を卒業したり、高卒認定試験に合格することです。ただし、現役の高校生は、高校卒業見込者として受験できます。また、高卒認定試験受験者で科目履修制度を利用している場合は、高卒認定試験の合格見込者として受験できます。

大学入学のパターンは、国公立大学と私立大学で違ってきます。


大学入試のしくみの図

国公立大学の場合

国公立大学への入学を希望する場合、2段階の選抜方式になります。

受験生はまず一次試験として「センター試験」を受験します。その後「個別能力検査」として、「前期日程」「後期日程」のいずれかで「二次試験」を受けて、合格すれば入学が許可されます。

※各日程で、前期日程で不合格であった場合、後期日程で受験することもできます。

※大学によっては、前期、後期に加え、「中期日程」が設けられる場合があります。

私立大学の場合

各大学が実施する「一般入試」があり、合格すれば受験した大学への入学が可能です。

また、センター試験の結果を用いて合否判定を行う「センター試験利用入試」の制度もあります。センター試験利用入試では、センター試験を合否判定に使う場合と、センター試験と一般入試などの個別試験の結果を総合して合否を判定する場合があります。

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大学入試センター試験とは

センター試験(正式名称:大学入試センター試験)は、もともと国公立大学の一次試験にあたるもので、以前(平成元年以前)は「共通一次試験(正式名称:国公立大学入試選抜共通第一次学力試験」と呼ばれていました。 現在でも、国公立大学の一次試験としての位置づけは変わりませんが、国公立大だけでなく、多くの私立大学の入学試験でも採用されるようになり、センター試験のみで受験できる私立大学も多くあります。そのため「日本の大学の共通入学試験」のような意味合いが強くなっています。

センター試験は、平成2年/1990年から毎年1月中旬の土日に実施されています。受験者数は毎年50万人以上。6教科(※)/30科目程度の試験科目の中から、志望大学の入試に必要な科目を受験します。

受験案内は9月初旬~10月にかけて配布(※)され、出願が始まります。

※6教科=国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語

※大学入試センターが配布の「受験案内」はセンター試験参加大学で配布されています。

センター試験の翌日には、大学受験予備校や新聞等で解答速報(正解・配点)が公表されます。受験生は自己採点を行い、その結果をもとに、実際に志望する大学に願書を提出します。

なお、センター試験の受験結果だけでは、国公立大学に入学できません。二次試験に相当する「個別学力検査」を受験して、合格する必要があります。

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さまざまな入試制度

日本の各大学では、さまざま受験生の事情が考慮され、就学の機会を広げるために、大学入試制度が多様化しています。

大学入試には従来のように、ペーパー試験で学力を審査する「一般入試」をはじめ、公募推薦入試、指定校推薦入試に加え、自己推薦入試、AO入試、社会人入試などもあります。日本の大学入試制度では、さまざまな方が受験しやすい環境が整っており、大学側でも多様な人材を受け入れる体制が整備されています。これらの入試は、国公立、私立ともに実施しています。

一般入試

ペーパーテストで学力を審査する従来型の一般的な「入学試験」です。ただし、大学(学部・学科)によっては面接や実技を課す場合もあります。大学独自の一般入試の他、ほとんどの大学でセンター試験利用入試を実施しています。

推薦入試(公募推薦・指定校推薦)

推薦入試にはいくつかの方式があります。そのひとつ「公募推薦」は、推薦元の高校は特定せず、全国から幅広く優れた学生を募集する方式の推薦入試です。

「指定校推薦」は受け入れる高校が指定され、高校からの推薦書によって合格者を決定する制度です。指定校推薦の推薦枠は拡大されつつあり、全日制高校の他、通信制高校、サポート校、予備校などにも対象を広げている大学も増えています。

学校長の推薦状の他、小論文や面接、調査書等で審査されます。一般入試ではペーパーテストの結果が重視されるのに対し、推薦入試では面接を重視する傾向があります。また、部活動や生徒会活動などの学校生活の内容も審査対象となります。

推薦入試の制度により、学生側は、学力だけでなく、個性やこれまでの学校生活が評価してもらえるとともに、入学試験の科目が免除され受験の負担が軽減される、普通の入試よりも早い時期に合格を確保できるなどのメリットがあります。一方、大学側では、意欲のある優秀な学生を受け入れることができるとともに、少子化に伴う定員割れを回避できるなどのメリットがあります。

推薦入試は、これまで私立大学のみで実施されていましたが、最近では、多くの国公立大学でも実施されるようになりました。

自己推薦入試

一般推薦は高等学校長の推薦書が必要ですが、自己推薦入試はで「自己推薦書」を提出します。面接や小論文等での自己アピール(個性、一般人とは違う点など)が評価されます。

女優の広末涼子さんがこの制度を利用したことは、よく知られています。AO入試と区別せずに実施する大学もあります。

AO入試(Admissons Ofiice)

AO入試の正式名称は「アドミッションズ・オフィス入試」です。 自己推薦では、おもに個性が重視されますが、AO試験では大学との適合度が重視されます。つまり、大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)と受験者の人物像を照らし合わせてその適合度が審査されます。。端的にいえば、その大学に入学するのにふさわしい人物かどうかで合否判定されます。

そのため、なぜその大学で学びたいのかなどの志望動機をしっかり持っていることが前提となり、試験でそれをきちんと伝えることが重要です。学校長からの推薦状は不要ですが、推薦入試よりもじっくりと丁寧に審査が行われます。

AO入試のメリットとして、一般入試では学力不足で諦めざるを得なかった大学に入学できるチャンスが生まれるということが挙げられます。

自己推薦入試とAO入試の違い

今や多くの大学では、AO入試と自己推薦入試とを採用しています。大学の位置づけが単なる高校卒業後の進路ではなく、将来に向けた多様な人材育成の場に変わってきているためです。どちらも学力よりも意志(入学動機・熱意など)や個性が尊重される入試です。面接や小論文が課題となりますので、自分の考えを口頭や文章で上手に表現できる力が必要です。高卒認定試験合格者や仕事をお持ちの方など受験勉強をする時間が少ないにとっては受けやすい入試です。

自己推薦入試
審査内容例・人間としての個性・他の受験生とは違う点
・これまでの経験
審査方法書類・面接・小論文
推薦状自己推薦状が必要
メリット学力よりも個性が重視されるので,一般入試の学力選抜ではあきらめなければならなかった大学に入学が許可されるチャンスがある。能力や適性に合った大学が選べる。
デメリット推薦理由が高校の学業や課外活動に限られる場合は、高等学校卒業程度認定試験【高卒認定】合格者の出願ができない場合がある。
AO入試
審査内容例・大学との適合性(相性)
・大学の課程をこなせる適性や能力
・大学へ入学することの目的意識や熱意・意欲など
審査方法書類・面接・小論文
推薦状原則として不要 (大学によっては自己推薦状が必要な場合がある)
メリット学力よりも大学との適合性や熱意等が重視されるので、一般入試の学力選抜ではあきらめなければならなかった大学に入学が許可されるチャンスがある。能力や適性に合った大学が選べる。
デメリット審査期間が長い

社会人入試

2年~3年程度以上の社会経験を積んだ社会人のための入試制度です。試験内容は自己推薦やAO入試と同様に、面接や小論文で審査され、通常は国語や英語などの学科試験はありません。

社会人入試は、一般的には合格率が高いというメリットがありますが、少ない定員枠に殺到し、逆に一般入試より難しいという事例も見受けられます。

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国公立大学の二次試験

センター試験が実施された翌日には、大学受験予備校のホームページや新聞などで、解答・配点が公表されます。受験生はそれを見て自己採点を行います。そして、自己採点の結果に応じて、志望する国公立大学に願書を提出し、「個別学力検査」を受験します。つまり、国公立大学の入試では、一次試験が「センター試験」に相当し、二次試験が「個別学力検査」という位置づけになります。国公立大学では、センター試験と「個別学力検査(二次試験)」の結果により合否判定を行います。

個別学力検査(二次試験)とは

個別学力検査とは、センター試験を受験し、実際に志願する国公立大学に願書を提出した後に受験する「二次試験」のことです。国公立大学では、センター試験と「個別学力検査(二次試験)」の結果により合否判定を行います。

前期日程と後期日程の受験方法

個別学力検査は、「分離・分割方式」という制度で実施されます。一つの大学の学部(学科)で定めた定員を「前期」と「後期」の試験日程に振り分け、それぞれの日程に実施した試験から合格者を選抜する方式です。

例えば、ある大学の定員が100人で、前期50人、後期50人に振り分けたとします。そして、前期日程の受験生から50人、後期日程の受験生から50人を合格として選抜するわけです。

受験生は、一つの大学を、前期と後期で2回受験することもできますし、それぞれの日程で別の大学(合計で2つの大学)を受験することもできます。また、一部の公立大学では「中期日程」の試験を実施しており、その場合、最大で3校の国公立大学を受験できます。

しかし、実際のところ、定員の配分は前期日程の合格者が8割近くを占めるように設定されており、実質的には前期日程を中心に募集しているということになります。定員をどのように振り分けるかは大学によって異なり、前期日程のみで募集を行うような大学もありますので、志望大学の試験の日程は事前に調べておく必要があります。

前期日程と後期日程の合格制限

分離・分割方式の制度では、例えば、前期日程で受験した大学に合格し、その大学に入学手続きをした場合は、それ以降の日程(中期や後期)で出願した大学では合格対象外となります。このため、通常は、第一志望の大学を前期日程で受験し、合格した場合には他の日程で大学は受験しません。

前期日程と後期日程の試験内容の違い

試験の内容は、前期日程は主に2~4教科での学科試験、後期日程では教科数が少なくなったり、総合問題、小論文、面接を課すようなケースがあります。これらは大学により異なります。