通信制高校 早わかり~高校卒業要件・単位制・転編入など~

通信制高校とは高校の教育課程のひとつである「通信制課程」が置かれている高等学校のこと。学校教育法に定められている学校です。全日制高校とは通学スタイル、学習の進め方、卒業要件などが異なります。時代のニーズに応えた柔軟なカリキュラムとなっており、高校卒業を目指しながら多様なライフスタイルを実現することが可能になっています。

通信制高校 早わかり

あなたならではのライフスタイルを実現 通信制高校

 

このページの目次

  1. 通信制高校とは
  2. 時代的ニーズに応え、誰もが自由に学べる通信制高校
  3. 学習の進め方(レポート+スクーリング+単位認定試験)
  4. 通信制高校の卒業要件
  5. ほとんどの通信制高校は「単位制」
  6. 通信制高校への入学時期
  7. 通信制高校入学のメリット
  8. 通信制高校の学費

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通信制高校とは

通信制高校とは、高校の教育課程のひとつである「通信制課程」が置かれている高校のことで、学校教育法制定時(昭和23年)設置されました。 仕事や経済的事情、希望する学校に入学できなかったなど、なんらかの事情により、全日制や定時制高校に通学することができない方に通信による教育(※)を受ける機会を与えるために設けられました。

※通信による教育…ラジオ、テレビ放送、その他インターネットなどの多様なメディアを利用して行う学習を取り入れた教育のこと。

「教育課程」は、高校を卒業するまでの「コース(学び方のスタイル)」のようなものです。「全日制」「定時制」「通信制」の3つのタイプがあります。それぞれ、学ぶ場所(自宅、学校、学習センターなど)や学ぶ時間帯(昼間、夜間)などが異なり、個人のスタイルに合わせて選べます。教育課程(コース)は違っても、目標(ゴール)はみな同じ「高校卒業」です。


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時代的ニーズに応え、誰もが自由に学べる通信制高校

通信制高校の当初の設立目的は、中学卒業後すぐに就職しなければならないなどの理由で、全日制や定時制に通うことのできない青少年のための高校でした。今でも働きながら、通信制高校で高校卒業を目指す人も多くいますが、特に学ぶ人のさまざまな状況に対応できる柔軟な学習システムを持っている通信制高校が多くなりました。

通信制高校には、中学を卒業して間もない10代の生徒から、社会経験のある年配の方まで、さまざまな入学動機や学習歴を持つ方が在籍しており、新しい人間関係も生まれやすい環境になっています。

  • 若い時代に自らの才能を磨きたい
    芸能、スポーツ、音楽、美術など、将来に大きな夢を持ち、それぞれの才能を磨きながら、高校卒業を目指す方。自分のやりたいことがあり、学校生活以外のことに多くの時間を注ぎたい方など。芸能人では、嵐の二宮和也さんやKinKi Kidsの堂本光一さん、スポーツでは、サッカー選人の香川真司さんなどが有名です。
  • ひきこもりがちなのでマイペースで学びたい
    ひきこもり中学時代からの不登校、ひきこもりがちであった生徒が自宅学習を中心に自分のペースで学べる通信制高校へ入学。
  • 全日制高校から転入・編入
    全日制高校に入学したものの校風や環境が合わないなどの理由で通信制高校へ転校。
  • 過去に高校に進学する機会がなかった社会人
    過去に高校進学の機会がなかったり、高校を中退し、就職したものの、高校卒業資格の必要性を社会に出てから感じて、通信制高校へ入学。

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学習の進め方(レポート+スクーリング+単位認定試験)

通信制高校では、レポート(報告課題)→ スクーリング(面接授業)→ 単位認定試験という流れで学習を行います。

レポートは年間に50~60通程度を提出します。基本的には自学自習で作成します。

スクーリングは年に20~25日程度です。ただし、ネットの学習システム等を利用すれば、最大6割はスクーリングを受けた時間として換算することができます。また、多くの通信制高校では、集中スクーリングも実施しており、年に1回や月に数回など、自分の生活スタイルに合うスクーリングを選択して受けることもできます。

単位認定試験は、期末テストに相当します。科目ごとに合格点(通常は30点程度)以上であれば単位が認定され、その科目を修得したことになります。通信制高校では、科目ごとに単位を修得していき、卒業までに74単位以上を修得する必要があります。

主な科目の標準単位数、レポート数とスクーリング数
科目
(標準単位数)
レポート
(通)
スクーリング
(時間)
国語総合(4)124
国語表現(3)93
世界史A(2)62
日本史A(2)62
地理A(2)62
現代社会(2)62
数学I(3)93
数学A(2)62
科学と人間生活(2)68
物理基礎(2)68
化学基礎(2)68
生物基礎(2)68
地学基礎(2)68
音楽I(2)68
美術I(2)68
工芸I(2)68
書道I(2)68
英語基礎(2)68
英語I(3)912
英語会話(2)68
家庭基礎(2)44
情報の科学(2)44
総合的な学習の時間(3)36

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通信制高校の卒業要件

通信制高校を卒業するためには次の要件(3年間在籍+74単位修得+特別活動30時間)を満たしている必要があります。

卒業要件備考
修業年数3年以上転編入の場合は前籍高校の修業年数も加算
科目の修得単位74単位以上転編入の場合は前籍高校の修得単位も加算
特別活動30時間以上ホームルームや入学式、始業式など
  1. 在籍期間が3年以上であること 通信制高校を卒業するためには、3年間の在籍期間(修業年数)を満たしている必要があります。全日制高校を中退して通信制高校へ入学する場合(転入学・編入学する場合)は、前籍高校での在籍期間を加算することができます。
  2. 科目の修得単位の合計が74単位以上であること 通信制高校では、
    レポート→スクーリング→単位認定試験
    という流れを繰り返しながら科目の単位を修得し、積み重ねていきます。 そして、卒業するためには、74単位を修得している必要があります。 今風にいえば「ポイント制」のようなもので、74ポイントゲットしたら、卒業要件が満たされることになります。なお、高校を中退して通信制高校へ入学する場合(転入・編入する場合)は、前籍高校での修得単位を加算することができます。
  3. ※転・編入の場合、前籍校の出席日数や修得単位などを加算することができます。

  4. 特別活動に30単位時間以上の参加 特別活動とは、ホームルームや行事(入学式、卒業式など)、体育祭、体験学習、クラブ活動などのことです。これらの特別活動に3年間で30単位時間(1単位時間=50分)以上参加する必要があります。

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ほとんどの通信制高校は「単位制」

単位とは、簡単にいうと「科目ごとの学習量のこと」のことです。単位数が多い科目ほど学習量が多くなるので、通信制高校では、レポート提出数やスクーリングの時間数が多くなります。また、学校によって、科目ごとに設定されている単位数が違います。

単位制は、科目ごとの修得単位を積み重ねていくシステムのことです。

多くの全日制高校で採用している学年制は、単位制の一種で、いわば「学年で区切られた単位制」です。学年ごとに決められた科目の必要な単位を修得できなければ留年となります。

一方、多くの通信制高校で採用している「単位制」は、学年という枠(区切り)はありません。必修科目以外は自分の関心や興味のある科目を履修し、卒業までに74単位以上を修得すればよいのです。単位制度によって、通信制高校の在籍者は、それぞれに合った多様なライフスタイルが実現できるようになっています。


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通信制高校への入学時期

全日制高校や定時制高校の入学時期はおもに4月となっていますが、多くの通信制高校では、10月入学→9月卒業というコースもあります。なお、転編入については、私立系高校では年間を通して受付を行っている学校がほとんどです。通信制高校への入学時期は、春入学・秋入学、転入学・編入学となっています。

また、広域通信制と呼ばれる高校は全国から入学が可能です。気に入った通信生高校へ入学するために、通信制高校の所在地に引っ越すなどの必要はありません。全国の特色のある通信制高校の中から、自分にあった高校を選ぶことが可能です。


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通信制高校入学のメリット

通信制高校はいわば「開かれた学校」です。時代的な要望に応えるべく、さまざまな人たちに対応できる柔軟性をはじめ、全日制高校や定時制高校にはない、多くのメリットがあります。

  1. ライフスタイルの幅が広がる 通信制高校は、全日制や定時制と比べて、通学する日数が圧倒的に少ないので、自分のための時間を多く持つことができます。仕事やアルバイト、習い事、芸能やスポーツのプロ活動をしながら学ぶことができます。また、大学進学を目指す人は受験専門の予備校に通って実戦力を養うこともできます。通信制高校を活用すれば、今の自分の生活環境や将来の目標にあわせて、あなたならではのライフスタイルの実現が可能になります。
  2. 留年がない 全日制高校や定時制高校は、通常「学年制」を採用しており、長期欠席、成績不振等の理由で、学年ごとに決められた科目の単位を修得できないと留年になってしまいます。一方、多くの通信制高校では「単位制」なので、必修科目以外は自分の関心や興味のある科目を履修し、卒業までに74単位を修得すればよいのです。
  3. 全国から入学が可能多くの通信制高校では「広域通信制」で運営されているので、全国の都道府県から入学することができます。そのため、自分に適した通信制高校を選びやすくなります。なお、広域通信制高校では、全国の各地にキャンパスや協力校、学習センターなどを開設しているので、普段は、ご自宅に近い通いやすい場所で学ぶことができます。
  4. 長期欠席、不登校者でも入学可能 全日制高校に進学する場合、内申書の関係で長期欠席や不登校は不利な要素になります。仮に全日制高校へ進学できてもそれまでの状況を考えると、3年間通うことへの不安もあると思います。一方、通信制高校では内申書が入学に影響することは、ほとんどありません。
    また、週1回の通学や月に1~2回の通学など、自由に選ぶことができます。通信制高校なら、通学に対する不安も緩和され、マイペースでこなしていくこともできると思います。最近では、不登校や引きこもりの経験を持つ生徒に対し、専門の先生による心のケアをしてくれるなど、親身に指導してくれる通信制高校も増えてきています。

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通信制高校の学費

通信制高校の平均的な学費は、初年度は36万円程度(就学支援金制度を利用した場合は24万円程度)、2年次以降は33万円程度(就学支援金制度を利用した場合は21万円程度)です。学校によって、異なりますが、目安は次の表のとおりです。

※なお、就学支援金制度を利用した場合、授業料が1単位あたり最大4,812円補助されるので、年間約12万円(年間25単位の場合)が支給されます。ただし、年収約910万円未満世帯の生徒が対象です。

通信制高校の学費の目安(10校平均/100円未満切り捨て)
費目費用
入学金31,000円(入学時のみ)
授業料216,000円(8,640円×25単位)
施設費34,000円(年間)
教育諸費用42,000円(年間)
その他38,000円(年間)