英語の攻略法・傾向と対策/高卒認定【高認】

高卒認定試験(高認)の英語は、基礎的な内容で出題され、日常的な英語力や基礎的な読解力を問う内容が中心です。単なる文法の暗記ではなく、「文章の流れを読み取る力」や「会話のやり取りを理解する力」が重視されています。しかし、英語は一朝一夕に習得できる科目ではないため、高認の中では数学と並んで合格率がやや低い傾向にあります。しかし、出題形式には一定のパターンがあり、それに合わせた対策を行えば、初学者でも比較的短期間で合格点に到達することは十分に可能です。これまで英語に苦手意識があった方も、出題傾向を押さえたうえで、コツコツと学習を積み重ねていけば、確実に合格へと近づいていくでしょう。

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高卒認定試験「英語」の概要

試験時間50分
問題数全24問(6つの大問で全24問)
解答形式すべて選択式(マークシート・4択または6択)

※6択は「文挿入の並べ替え(大問4)」のみ

合格予想点40点
出題傾向・内容全体的に語彙・文法というより「日常的な英語コミュニケーション力」が重視。
  1. 対話文の空欄補充【1~7】
  2. 語彙の空欄補充【8~11】
  3. メッセージ文の意図読み取り【12~15】
  4. 文挿入の並べ替え【16~17】
  5. 案内文・掲示文の読解【18~20】
  6. 物語文の読解(長文)【21~24】
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大問別の出題形式と出題内容

これまでの高認英語の過去問題を見ると、小問はおよそ24問で構成されており、出題形式も毎回ほとんど変わりません。初めて過去問に触れる方でも、問題の流れをつかみやすい内容になっています。

また、大問1から順に、概ねやさしい問題から出題されるため、対策学習でも本番でも順番通りに取り組むことで、無理なく進められるでしょう。英語が得意でない方でも、合格を目指すうえでは、大問4(できれば大問5)までをしっかり解ける力をつけることが一つの目安になります。できるだけ多くの過去問を繰り返し解いて慣れておくことが、合格への近道です。

① 対話文の空欄補充【1~7】

  • シチュエーション:家・学校・電話・図書館・映画館など日常場面
  • 自然な会話の流れに合う選択肢を選ぶ問題
  • 語彙力、基本的な文脈理解が必要

② 語彙の空欄補充【8~11】

  • 文脈に合った単語を選ぶ形式
  • ポジティブ/ネガティブな意味の区別、社会生活に関する語彙
    例:「positive」「salary」「gradually」「remove」など

③ メッセージ文の意図読み取り【12~15】

  • ポスターやアナウンスの内容から意図を問う
  • 表現内容から「注意喚起」「宣伝」「紹介」などを判断

④ 文挿入の並べ替え【16~17】

  • a~cの英文を、流れの自然な順に並べる
  • 手紙、短文エッセイなどが題材
  • 主に論理的な構成力・接続詞理解を問う

⑤ 案内文・掲示文の読解【18~20】

  • 文字数はやや多いが内容は平易
  • 登場頻度高:図書館、サマーキャンプ、イベント告知など
  • 問題例:「目的」「利用方法」「条件に合う選択」など

⑥ 物語文の読解(長文)【21~24】

  • 心温まるストーリー(進路、夢、ペットなど)が多い
  • 読解力と内容把握が問われるが、語彙・構文は基礎的
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効果的な対策

まずは過去問で現在の実力をチェック

高卒認定試験(高認)の英語対策を始める前に、まずは 過去問 を解いて、現在の英語力を確認してみましょう。得点の目安として、70点〜80点程度が取れるようであれば、高認対策としての追加学習はそれほど必要ありません。今後は、過去3年分(6回分)ほどの問題を繰り返し解いておくだけでも十分です。

ただし、将来の大学受験などで英語が必要になる場合は、英文の構造や文法を意識した学習を進めることで、より確かな読解力が身につきます。高認の過去問題は、大学入試(旧センター試験など)の基礎づくりにも最適な教材です。

過去問が難しく感じる人は基礎から

過去問を開いてみたものの、まったく歯が立たない…そんな場合は、基礎レベルの参考書や問題集を使って、毎日少しずつコツコツと学習を続けていくことが大切です。英語は特に、「学問に王道なし」という言葉が当てはまる科目。基礎から丁寧に積み上げることで、必ず力はついていきます。以下の学習方法も参考にしてみてください。

1. 日常英語に慣れる

  • NHKラジオ英会話/中学生レベルの教科書会話文を使って、短い会話文に触れる。
  • 過去問の対話文を「声に出して読む」練習も◎

外出時は英語に慣れるチャンス!!

外出したときには、英語に慣れ親しむチャンスです。例えば、電車内のアナウンスや注意書き、広告、案内板等、あらゆるところに英語に触れる機会があるので、意識して見ておくとよいでしょう。

例えば、電車の中で見られる「Priority Seat(プライオリティシート)」、これは「優先席」という意味です。また、車内アナウンスで

The next station is Tokyo. The doors on the left side will open.

↑これはわかるのでは…。

↓こちらはいかがでしょうか。

Please switch off your mobile phone when you are near the priority seats. In other areas, please set it to silent mode and refrain from talking on the phone.

これも、所々の単語がわかれば、なんとなく全体がわかるのではないでしょうか。高認の英語も同じような感じです。基本的な知っている単語をもとにして、文全体の意味を把握する力が必要です。上記の文ではrefrainが少々難しい単語ですが、全体のからなんとなく推測できるのではないでしょうか。

↓最後にこちらは?

There are priority seats reserved for elderly and handicapped passengers, expecting mothers, and passengers accompanying small children.

ちなみに、私が最初にこのアナウンスを聞いたとき、expecting mothers(直訳で「期待している母?」「楽しみにしている母?」)が気に留まりました。英語ではこんな風に言うんだと、感銘を受けたことを覚えています。調べてみたところ、英語の “expecting” は妊娠していることを表す慣用的な形容の使い方とのこと。何かを楽しみにしているという意味ではなく、「子どもを身ごもっている」という状態を指すそうです。

このように街中など身近にみられる英文は高卒認定試験レベルのものです。とてもよい機会になるので、本試験までは、街中の英語を少し意識されてみてはいかがでしょうか。

スマートフォンなどの辞書サービス(アプリ)を利用したり、小さな電子辞書等を持ち歩いたりして、わからない単語を、その場で調べるようにすると身についていきます。

2. 英単語は中学・高校初級の範囲を確実に

  • 頻出語:positive, avoid, salary, gradually, remove など
  • 文脈判断が必要なので、意味だけでなく「使い方」も意識

単語を覚える動機は危機感が必要!?

合格するためには、基本単語や熟語、会話表現を覚えることが不可欠です。特に(基本的な)単語がわからないことには、どうしようもありません。しかし、英単語を一気に覚えることは困難でしょう。よく『普段から「一日○個」というような目標を決めて、長期的に取り組む努力が必要です。』と理想的なアドバイスを受けることがありますが、その努力を続けることもなかなか難しいことです。

上記の努力を持続させる一つの方法として、自分に単語を覚える必要性を感じさせることでしょう。例えば、問題を解いて、わからない単語があまりに多いことを実感し、自分に「これではいけない」という問題意識(危機感)を抱かせることです。

少なくとも、勉強中に出てきたわからない単語は、別のノートに書き出すなどして、必ず覚えるように努力しましょう。どうしても覚えられない単語は自分独自の語呂合わせをつくって覚えると案外忘れません。

3. 図表や掲示に慣れておく

  • 海外のイベント告知や施設案内など「お知らせ文の形式」に慣れておく
  • TOEIC Bridge や 英検3級の読解問題が類似

4. 長文読解では焦らず内容を追う

  • ストーリー型の長文は登場人物の「心情の変化」や「行動の理由」に注目
  • すべて理解しようとせず、段落ごとの要点をつかむこと

長文は…

長文読解問題を解いていると、知らない単語や文法が出てきます。そんなときは、自分は勉強不足だと考えて悩まず、文章内の知っている単語をヒントに「とにかく内容をつかもう」という気持ちで解いてみましょう。

長文対策としては、やはり短めのやさしいものから取り組んでいくとよいでしょう。長文読解問題はとにかく数をこなして慣れていくことが大切です。数をこなしているうちに、だんだんと英文を読む「こつ」のようなものがみえてきて、英語のセンスが身につきます。

過去問は少なくとも3年分(合計6回分)を暗記してしまうくらい徹底的に勉強しておきましょう。

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